【はじめに】

「朝起きたら、足の親指の付け根が赤く腫れて、靴も履けないほど痛い」

「ぶつけた覚えはないのに、夜中に突然ズキズキと激痛が始まった」

このような症状でお困りではありませんか?足をぶつけていないのに親指の付け根が急に激しく痛む場合、最も多い原因は痛風発作(痛風関節炎)です。ほかにも偽痛風や蜂窩織炎(ほうかしきえん)、まれに緊急の治療が必要な化膿性関節炎が隠れていることもあります。

痛風は痛みが1〜2週間で治まることが多いため「治ったから大丈夫」と放置されがちですが、原因となる高尿酸血症が続くと発作を繰り返し、腎臓や血管にも負担がかかります。この記事では、総合診療医の立場で、原因・受診の目安・治療法を分かりやすく解説します。

【目次】

  1. 新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ
  2. 足の親指の付け根が突然痛む主な原因(痛風発作とは)
  3. 痛風と間違えやすい病気(偽痛風・蜂窩織炎・化膿性関節炎など)
  4. こんな症状はすぐに受診を(受診の目安)
  5. 発作が起きたときの自宅での対処法
  6. 当院(西北診療所)での診断と治療法(血液検査・エコー・レントゲン)
  7. 発作を繰り返さないために(尿酸値の管理と生活習慣)
  8. 受診方法・予約方法について
  9. 監修者情報

1.新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ

西北診療所は、新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様の「かかりつけ医」として、内科と外科・整形外科の両面から診療を行っています。

「足が痛いけれど整形外科と内科のどちらに行けばいいかわからない」という方も、どうぞそのままご相談ください。痛風は関節の病気であると同時に、尿酸値・血圧・腎臓など全身の状態と深く関係する病気です。当院では関節の痛みの治療と、その背景にある内科的な問題の管理を同じ医師が一貫して行います。

2.足の親指の付け根が突然痛む主な原因(痛風発作とは)

痛風発作は、血液中の尿酸が多い状態(高尿酸血症)が続き、関節の中に尿酸の結晶がたまることで起こります。この結晶を体が「異物」とみなして攻撃し、激しい炎症が起こるのが痛風発作です。

痛風発作の特徴

  • 足の親指の付け根に最も起こりやすく、最初の発作の多くはこの場所です(足首・足の甲・膝に起こることもあります)
  • 夜間から明け方に突然始まることが多い
  • 半日〜1日ほどで痛みがピークになり、赤く腫れて熱を持ち、触れるだけでも痛い
  • 多くは1〜2週間ほどで自然に治まるが、放置すると発作を繰り返し、間隔が短くなる
  • 30〜50代の男性に多いが、閉経後の女性にも起こります

発作のきっかけになりやすいこと

  • 飲酒(特にビールなど)や、肉・魚卵などプリン体の多い食事
  • 汗をかいた後の脱水(サウナ・激しい運動・夏場)
  • 強いストレスや睡眠不足
  • 尿酸値を下げるお薬を飲み始めた直後(尿酸値が急に変動するため)

なお、発作中の血液検査では尿酸値が正常範囲に出ることもあります。「尿酸値が正常だったから痛風ではない」とは言い切れないため、症状と経過を合わせて判断することが大切です。

3.痛風と間違えやすい病気(偽痛風・蜂窩織炎・化膿性関節炎など)

足の親指の付け根の痛みは、痛風以外の病気でも起こります。治療法がまったく異なるため、見極めが重要です。

  • 偽痛風(ぎつうふう):尿酸とは別の結晶(ピロリン酸カルシウム)による関節炎。高齢の方の膝や手首に多くみられます。
  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん):皮膚の深い部分の細菌感染。赤みが関節の外まで広がり、発熱を伴うことがあります。小さな傷や水虫が入り口になることもあります。
  • 化膿性関節炎:関節の中の細菌感染。関節が壊れてしまうことがあるため、早急な治療が必要です。
  • 外反母趾・強剛母趾(きょうごうぼし):親指の付け根の変形による痛み。徐々に痛くなるのが特徴です。
  • 骨折(疲労骨折を含む):ぶつけた覚えがなくても、歩きすぎなどで起こることがあります。

4.こんな症状はすぐに受診を(受診の目安)

次のような場合は、我慢せず早めに受診してください。

  • 初めて足の親指の付け根が赤く腫れて痛くなった
  • 痛みで歩けない、靴が履けない
  • 38℃以上の発熱や寒気を伴う(化膿性関節炎・蜂窩織炎の可能性)
  • 赤みや腫れが足の甲やすね全体に広がってきた
  • 複数の関節が同時に痛む
  • 糖尿病がある方で、足の赤みや腫れが出た(感染が重症化しやすいため)
  • 以前にも同じ発作があり、繰り返している

特に、発熱を伴う関節の強い腫れは、痛風ではなく細菌感染の可能性があります。様子を見ずに、その日のうちにご相談ください。

5.発作が起きたときの自宅での対処法

受診までの間は、次のような対処で痛みを和らげることができます。

  • 安静にする:できるだけ歩かず、患部に体重をかけないようにします。
  • 足を少し高くする:クッションなどで足を心臓より少し高くすると、腫れが引きやすくなります。
  • 冷やす:保冷剤や氷をタオルで包み、1回15〜20分ほどを目安に冷やします。
  • 水分をしっかりとる:アルコール以外の水分を、こまめにとりましょう。

☠ やってはいけないNGな対処法☠

  • 患部を温める・長風呂やサウナに入る:炎症が強まり、痛みが悪化することがあります。
  • 患部を強くもむ・マッサージする:炎症を広げる原因になります。
  • お酒を飲む:尿酸値を上げ、発作を長引かせます。
  • 自己判断で尿酸値を下げる薬を始める・やめる:発作中に尿酸値が急に変わると、かえって悪化することがあります。すでに服用中の方は、自己判断で中止せず医師にご相談ください。
  • 痛みを我慢して歩き回る:回復が遅れる原因になります。

6.当院(西北診療所)での診断と治療法(血液検査・エコー・レントゲン)

当院では、総合内科専門医・腎臓専門医である院長が、関節の痛みの原因を見極めるとともに、尿酸値の背景にある全身の状態まで確認します。

  • 問診・診察:痛みの始まり方、過去の発作、飲酒や食事、服用中のお薬などを伺い、関節の腫れや赤みの範囲を確認します。
  • 血液検査:尿酸値、炎症の程度(白血球・CRP)、肝機能、血糖、脂質などを調べます。
  • 関節のエコー(超音波検査):関節の中の炎症や水のたまり具合、尿酸結晶が沈着した所見の有無を、痛みを伴わずに確認します。
  • レントゲン検査:骨折や骨の変形、長く続く痛風による骨の変化がないかを確認します。
  • 痛風と偽痛風の見分け:診察所見と血液検査の結果、エコーの所見などから総合的に判断します。
  • 関節液の検査:膝などの大きな関節が腫れていて、化膿性関節炎(関節の細菌感染)が疑われる場合は、エコーガイド下で関節液を採取し、細菌などを詳しく調べます(必要に応じて外部の検査機関に提出します)。足の親指の関節では、通常この検査は行いません。
  • 尿検査・腎臓のエコー:尿酸による尿路結石や、腎臓への影響がないかを腎臓エコーなどで確認します。

発作の治療

  • 痛み止め(消炎鎮痛薬)を短期間しっかり使い、炎症を抑えます。
  • 発作の起こり始めにはコルヒチンというお薬が有効な場合があります。
  • 胃腸や腎臓の状態により痛み止めが使いにくい方には、ステロイドを使うことがあります。

化膿性関節炎や重い蜂窩織炎が疑われる場合、手術が必要な状態が考えられる場合は、提携する専門医療機関へ速やかにご紹介します。

7.発作を繰り返さないために(尿酸値の管理と生活習慣)

痛みが治まった後こそが、本当の治療のスタートです。発作を繰り返すと関節が変形したり、尿酸のかたまり(痛風結節)ができたりすることがあります。

  • 尿酸値の目標:発作を繰り返す方などでは、お薬で血液中の尿酸値を6.0mg/dL以下に保つことが目標になります。お薬は発作が落ち着いてから、少量から始めるのが一般的です。
  • 合併しやすい病気の管理:痛風の方は高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病などを合併しやすく、心臓や血管の病気のリスクも高まります。当院では、これらをまとめて管理します。
  • 生活習慣の見直し:節酒、プリン体の多い食品をとりすぎない、十分な水分、適正体重の維持、適度な運動を心がけましょう。

健康診断で尿酸値の高さを指摘されている方は、こちらの記事もご参考ください。

👉 健診で尿酸値が高いと言われたら?痛風・腎臓への影響と食事のポイント

8.受診方法・予約方法について

当院では、患者様がご都合に合わせてスムーズに受診していただけるよう、以下の体制をとっております。

  • ① 予約なし
    • 直接ご来院いただけます。
    • 受付順に順番の記載された「ナンバープレート」をお渡しし、番号順にご案内いたします。お薬手帳や、健診結果をお持ちの方はご持参ください。
  • ② WEB予約
    • 現在準備中であり、今年度内での運用開始を予定しております。開始となりましたら、院内掲示およびホームページにてお知らせいたします。

9.監修者情報

監修:西北診療所 院長 羽田野 実

(日本内科学会認定 総合内科専門医 / 日本腎臓学会認定 腎臓専門医)

👉 院長プロフィール・監修者情報はこちら

PAGE TOP