【はじめに】

会社の健康診断や人間ドックで、心電図の判定に「不整脈」や「ST-T変化(ST低下・ST上昇)」と書かれて不安になっていませんか?

「胸の痛みも動悸もないから気のせいだろう」「自覚症状がないから放置してよいのでは」と受診を先送りにされる方も少なくありません。 しかし、心電図の異常は、心臓の筋肉に血液が不足しているサイン(狭心症・虚血性心疾患)や、脳梗塞や慢性心不全につながる不整脈が隠れているサインの可能性があります。

この記事では、「不整脈」「ST変化」が意味すること、考えられる病気、放置してはいけない理由と受診の目安について分かりやすく解説します。

【目次】

  1. 新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ

  2. 心電図で指摘される「不整脈」「ST変化」とは?

  3. 「自覚症状がないから大丈夫」が危険な理由(隠れた心臓病のリスク)

  4. 考えられる主な原因疾患(期外収縮・心房細動・狭心症など)

  5. こんな症状があったら要注意(受診の目安と危険なサイン)

  6. 当院(西北診療所)での精密検査と初期対応(心エコー・ホルター心電図・血液検査)

  7. 受診方法・予約方法について

  8. 監修者情報

1. 新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ

健診結果表の心電図の欄に「要再検査」「要精密検査」の判定がついて、どうすべきか迷われているといったご相談を皆様から時々いただきます。

健診の心電図検査は、ベッドの上で安静にした「わずか数十秒間」の心臓の電気的な動きを記録したものです。その短い時間で指摘された波形の乱れには、「経過観察でよい一時的なもの」から「早急な治療が必要な重大な心臓病」まで幅広い可能性が含まれます。自己判断で放置せず、まずは地域のクリニックで一度詳しい評価を受けることが大切です。

2. 心電図で指摘される「不整脈」「ST変化」とは?

心臓は、規則的な電気信号によって1日に約10万回も休むことなく拍動しています。心電図はその電気信号を波形として記録する検査です。

  • 「不整脈」とは 電気信号のリズムが乱れ、脈が飛んだり(期外収縮)、極端に速くなったり(頻脈)、遅くなったり(徐脈)、不規則に乱れたり(心房細動など)する状態です。

  • 「ST変化(ST低下・ST上昇・陰性T波)」とは 心電図の波形のうち、心臓が血液を送り出した後に元に戻る時間帯(ST部分)が、基準のラインより下がったり上がったりしている状態です。主に心臓の筋肉(心筋)へ十分な血液や酸素が届いていない「心筋虚血」の疑いを示す重要なサインです。

3. 「自覚症状がないから大丈夫」が危険な理由(隠れた心臓病のリスク)

「動悸も胸痛もないのに、本当に病気なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。しかし、心臓の病気は自覚症状がないまま静かに進行するケースが非常に多いのが特徴です。

  • 無症候性心筋虚血(症状のない虚血) 特に糖尿病や高血圧をお持ちの方やご高齢の方は、神経の感度が鈍くなり、心臓の血管が狭くなっていても胸の痛みを感じない「無痛性狭心症」が起こりやすくなります。

  • 突然死や脳梗塞の引き金になるリスク 自覚症状のない不整脈であっても、心臓の中に血栓(血の塊)を作り、それが脳へ飛んで重い脳梗塞(心原性脳塞栓症)を引き起こすことや、将来的に慢性心不全へ進行することがあります。

健診で異常を指摘された「今」こそが、病気を未然に防ぐ最大のチャンスです。

4. 考えられる主な原因疾患(期外収縮・心房細動・狭心症など)

心電図の異常から疑われる代表的な疾患には、以下のようなものがあります。

  • 期外収縮(上室性・心室性) 本来のリズムとは異なるタイミングで脈が1拍早く出る不整脈です。健康な方でも疲労やストレス、睡眠不足、カフェインで起こる良性のものが多いですが、連発する場合や心臓病が隠れている場合は治療が必要です。

  • 心房細動(しんぼうさいどう) 心房が毎分数百回も細かく震えてしまい、脈が完全にバラバラになる不整脈です。心不全や重い脳梗塞の最大の原因となるため、早期の抗凝固療法(血液サラサラの薬)などが必要です。

  • 狭心症・心筋梗塞(ST低下・ST上昇) 心臓の血管(冠動脈)が動脈硬化で細くなり、血液が不足する病気です。高血圧や脂質異常症、糖尿病を背景に発症しやすく、放置すると命に関わります。

  • 心筋肥大・心筋症 長年の高血圧などで心臓の筋肉が分厚くなっている場合にも、ST変化や陰性T波が認められます。

5. こんな症状があったら要注意(受診の目安と危険なサイン)

健診で指摘されたことに加えて、以下のような症状が少しでもある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

  • 階段を上ったり重い荷物を持ったりしたときに、胸の中央が締め付けられる・圧迫される(安静にすると数分で治まる)

  • 突然ドキドキと胸が激しく波打つ、脈が抜けるような感覚がある

  • ふっと目の前が暗くなる、めまいがする、一瞬気を失いそうになる

  • 少し動いただけで息切れがする、平らな場所で寝ると息苦しい

⚠️ 今すぐ救急要請(119番)が必要な危険なサイン

「冷や汗を伴う激しい胸の痛みや圧迫感が15分以上続く」「左肩や背中、顎にかけて激痛が広がる」「意識を失った」という場合は、急性心筋梗塞や危険な不整脈の可能性があるため、ためらわずに救急車を呼んでください。

6. 当院(西北診療所)での精密検査と初期対応(心エコー・ホルター心電図・血液検査)

当院では、健診で心電図異常を指摘された方の精密検査と原因究明を行っております。

  • 心エコー(心臓超音波検査)による詳細な評価 超音波を用いて、心臓の筋肉の動き、弁の働き、心臓の壁の厚さ、ポンプ機能などをリアルタイムで観察します。心筋梗塞による壁運動の低下や心筋肥大、弁膜症の有無を身体に負担なく安全に確認できます。

  • 24時間ホルター心電図検査 小型の記録器を装着してご帰宅いただき、丸1日の日常生活中の心電図を記録します。健診の数十秒間では捉えきれなかった不整脈の頻度や、夜間・早朝の発作、労作時のST変化を確実に検出します。

  • 血液検査による評価 心臓への負担を反映する心不全マーカー(BNP/NT-proBNP)や、動脈硬化の原因となる脂質異常症・糖尿病の指標、電解質バランスを詳しく調べます。

  • 胸部デジタルレントゲン検査 心臓の拡大(心拡大)や肺に水が溜まっていないか(肺うっ血)をその場で確認します。

  • 高度専門医療機関との連携 緊急のカテーテル治療や心臓CT/MRI、ペースメーカー等の専門治療が必要と判断した場合は、提携する循環器専門病院へ迅速にご紹介・連携いたします。

7. 受診方法・予約方法について

当院では、地域の皆様に安心してスムーズにご受診いただけるよう、以下の体制を整えております。

  • 事前予約なしで直接ご来院いただけます。
    • 受付順に番号の記載された「ナンバープレート」をお渡しし、順次ご案内いたします。健診結果表(心電図波形のコピーがある場合は一緒にお持ちください)やお薬手帳をご持参ください。

      ① 予約なし(一般内科・慢性疾患・健診再検査)

      ②WEB予約

      • 現在準備中であり、今年度内での運用開始を予定しております。 運用が始まりましたら、院内掲示およびホームページにてお知らせいたします。

8. 監修者情報

監修:西北診療所 院長 羽田野 実 (日本内科学会認定 総合内科専門医 / 日本腎臓学会認定 腎臓専門医)

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