【はじめに】

「喉が痛くて、ツバを飲み込むだけで顔をしかめてしまう」 「食事も水分もとりづらく、話すのもつらい」

このような強い喉の痛みにお悩みではありませんか?

喉の痛みの多くはウイルスによる急性咽頭炎(いわゆる喉かぜ)ですが、抗菌薬が必要な溶連菌などによる扁桃炎や、扁桃の奥に膿がたまる扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)、さらに気道がふさがるおそれのある急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)が隠れていることもあります。

特に「口が開けにくい」「声がこもる」「ツバが飲み込めずに口からあふれる」「息苦しい」といった症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。この記事では、ツバを飲み込むのもつらい喉の痛みの原因、受診の目安、当院での診断と治療について、総合診療医の立場で分かりやすく解説します。

喉の痛みでツバを飲み込むのがつらそうに喉元を押さえる男性のイラスト

【目次】

  1. 新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ
  2. 「ツバを飲み込むのもつらい」喉の痛みが起こる仕組み
  3. 考えられる主な病気(咽頭炎・扁桃炎・溶連菌感染症など)
  4. 見逃してはいけない危険な病気(扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎・咽後膿瘍など)
  5. 喉以外が原因のことも(亜急性甲状腺炎・逆流性食道炎・咽頭異物)
  6. すぐに受診すべきサインと受診の目安
  7. 当院(西北診療所)での診断と治療法(抗原検査・血液検査・エコー・レントゲン)
  8. 受診方法・予約方法について
  9. 監修者情報

1. 新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ

「喉の痛みは耳鼻咽喉科?内科?」と迷われる方は少なくありません。新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田エリアにお住まい・お勤めの皆様からも、発熱外来を中心に強い喉の痛みに関するご相談を多くいただきます。

当院では内科を中心に、感染症の検査、血液検査、首のレントゲン検査などを組み合わせて原因や重症度を見極めます。息苦しさや飲み込みにくさがある場合は首のレントゲンで気道の状態を確認し、専門的な処置が必要な場合は急性期病院の耳鼻咽喉科と連携してスムーズにご案内いたします。「何科に行けばいいかわからない」段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。

2. 「ツバを飲み込むのもつらい」喉の痛みが起こる仕組み

ツバを飲み込むとき、喉の筋肉は扁桃(へんとう)や咽頭の粘膜をぎゅっと締めつけるように動きます。そのため、

  • 扁桃や咽頭に強い炎症や腫れがある
  • 喉の奥(喉頭蓋)が腫れている
  • 粘膜に傷や異物がある

と、飲み込むたびに炎症部位が刺激され、強い痛み(嚥下痛:えんげつう)が生じます。

単なる「イガイガ感」と違い、ツバも飲み込めないほどの痛みは、炎症が強いサインです。痛みが片側に偏っている場合や、日に日に悪化する場合は、膿がたまっている可能性も考えます。

3. 考えられる主な病気(咽頭炎・扁桃炎・溶連菌感染症など)

  • 急性咽頭炎(ウイルス性)
    • 喉の痛みの原因で最も多いものです。鼻水・咳を伴うことが多く、多くは数日〜1週間で自然に改善します。
    • 新型コロナウイルスやインフルエンザでも、強い喉の痛みが目立つことがあります。
  • 溶連菌(A群溶血性レンサ球菌)感染症・急性扁桃炎
    • 38℃以上の発熱、扁桃の腫れや白い膿(白苔)、首のリンパ節の腫れ・痛みが特徴で、咳はあまり出ないことが多いです。
    • 子どもに多い病気ですが、子育て世代の大人にも感染します。
    • 抗菌薬による治療が必要で、腎炎やリウマチ熱などの合併症を防ぐため、症状が治まっても処方された日数を飲み切ることが大切です。
  • 伝染性単核球症
    • EBウイルスなどによる感染症で、10〜20代に多くみられます。
    • 強い喉の痛み、発熱、首のリンパ節の腫れ、強いだるさが続き、肝臓や脾臓が腫れることもあります。
    • 溶連菌と症状が似ていますが、一部の抗菌薬で全身に発疹が出ることがあるため、見極めが重要です。

4. 見逃してはいけない危険な病気(扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎・咽後膿瘍など)

  • 扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)
    • 扁桃炎が悪化し、扁桃の奥に膿がたまった状態です。
    • 片側だけの強い痛み、口が開けにくい(開口障害)、口に物を含んだようなこもった声が特徴です。
    • 膿を出す処置(穿刺・切開)が必要になるため、耳鼻咽喉科への早急な受診が必要です。
  • 急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)
    • 空気の通り道のフタ(喉頭蓋)が細菌感染で急激に腫れる病気で、短時間で窒息に至ることがある、命に関わる病気です。
    • ツバを飲み込めずに口からあふれる、息を吸うときにヒューヒュー音がする、前かがみでないと苦しいといった症状があれば、ためらわず救急車を呼んでください。
    • 喉の見た目は軽い炎症にしか見えないのに、痛みが非常に強いのが特徴の一つです。
  • 咽後膿瘍(いんごのうよう)
    • 喉の奥の壁の裏側に膿がたまる病気で、強い飲み込みの痛み、首を動かすと痛い、発熱などが見られます。
    • 腫れが進むと気道が狭くなり、息苦しさの原因になります。
  • 深頸部膿瘍(しんけいぶのうよう)
    • 首の深い場所に感染が広がり、膿がたまる病気です。首が腫れて動かしにくい、高熱が続くなどの症状があります。糖尿病をお持ちの方は重症化しやすく、特に注意が必要です。

5. 喉以外が原因のことも(亜急性甲状腺炎・逆流性食道炎・咽頭異物)

「喉が痛い」と感じていても、実は喉以外の場所が原因のこともあります。

  • 亜急性甲状腺炎
    • 喉ぼとけの下(首の前側)が痛み、押すと痛い、痛みが耳や顎に響くのが特徴です。発熱や動悸を伴うこともあります。
    • 喉の中を見ても異常がなく「風邪」と見過ごされやすい病気ですが、エコー検査と血液検査で診断できます。
  • 逆流性食道炎
    • 胃酸が喉まで逆流し、喉の痛みや違和感、胸やけ、長引く咳を起こします。朝起きたときに症状が強いことがあります。
  • 咽頭異物(魚の骨など)
    • 食事中に魚の骨などが刺さった後から、飲み込むときにチクッと痛む場合に考えます。無理にご飯を丸飲みするのは逆効果です。

6. すぐに受診すべきサインと受診の目安

救急車を呼ぶ・すぐに救急外来へ

  • 息苦しい、息を吸うときにヒューヒュー・ゼーゼーと音がする
  • ツバが飲み込めず、口からあふれてくる
  • 座って前かがみの姿勢でないと呼吸がつらい

当日中に受診を

  • 口が開けにくい、声がこもる
  • 痛みが片側に強く、日に日に悪化している
  • 水分がほとんどとれない
  • 38℃以上の発熱があり、首のリンパ節が腫れて痛む

早めに受診を(数日以内)

  • 喉の痛みが1週間以上続く、または良くなったり悪くなったりを繰り返す
  • 首の前側(喉ぼとけの下)を押すと痛い
  • 家族や職場で溶連菌と診断された人がいる
  • 糖尿病などの持病があり、喉の痛みと発熱がある

☠ やってはいけないNGな対処法 ☠

  • 以前もらった抗菌薬の残りを自己判断で飲む
    • 原因が細菌でなければ効果はなく、病気によってはかえって発疹などの副作用を起こしたり、正しい診断の妨げになったりします。
  • 市販の痛み止めで痛みを抑えて受診を先延ばしにする
    • 痛みが一時的に和らいでも、膿がたまる病気は進行することがあります。痛み止めが効きにくい場合は、特に注意が必要です。
  • 痛いからと水分をとらない
    • 脱水になると回復が遅れます。冷たい水やゼリー、スポーツドリンクなど、飲み込みやすいもので少しずつ補給しましょう。
  • 魚の骨をご飯の丸飲みで押し込もうとする
    • 骨がより深く刺さってしまうことがあります。

7. 当院(西北診療所)での診断と治療法(抗原検査・血液検査・エコー・レントゲン)

当院では、喉の痛みの原因を見極め、症状に合わせた治療を行っております。

行う検査

  • 問診・診察
    • 発熱や咳の有無、痛みの左右差、口の開きやすさ、声の変化、首のリンパ節の腫れなどを確認します。
  • 抗原検査
    • 溶連菌、新型コロナウイルス、インフルエンザなどの感染の有無を、喉や鼻の粘膜から採取した検体で調べます。
  • 血液検査
    • 炎症の強さ(白血球数・CRP)、伝染性単核球症を疑う場合の肝機能や血液像、亜急性甲状腺炎を疑う場合の甲状腺ホルモンなどを確認します。
  • 首のレントゲン(頸部X線)検査
    • 急性喉頭蓋炎や咽後膿瘍などで、息苦しさや飲み込みにくさが疑われる場合に撮影し、気道が狭くなっていないかを確認します。

治療について

  • 溶連菌など細菌感染の場合:抗菌薬を処方します。細菌性扁桃炎で重症の場合は、初回のみ点滴で抗菌薬を投与することもあります。
  • ウイルス性の場合:解熱鎮痛薬やうがい薬、漢方など、症状を和らげる治療を行います。
  • 亜急性甲状腺炎・逆流性食道炎の場合:それぞれの病気に合わせたお薬で治療します。
  • 専門医療機関との連携:首のレントゲンなどで気道が狭くなっているリスクが高いと判断した場合は、急性期病院の耳鼻咽喉科へ迅速にご紹介いたします。扁桃周囲膿瘍や深頸部膿瘍など、膿を出す処置が必要な場合も同様です。
  • 全身管理:総合内科専門医として、糖尿病や高血圧などの持病がある方の重症化リスクも考慮しながら治療を進めます。

8. 受診方法・予約方法について

当院では、患者様がご都合に合わせてスムーズに受診していただけるよう、以下の体制をとっております。

※発熱や風邪症状がある方は、可能でしたら事前にお電話(TEL. 03-3203-5660)でご相談ください。発熱外来のご予約を行います。

9. 監修者情報

監修:西北診療所 院長 羽田野 実 (日本内科学会認定 総合内科専門医 / 日本腎臓学会認定 腎臓専門医)

👉 院長プロフィール・監修者情報はこちら

PAGE TOP