【はじめに】

「健診の骨密度検査で『骨量が少ない』と言われたけれど、痛くもないし大丈夫?」

「最近、背が縮んだ気がする。母も骨折してから歩けなくなったので心配」

このようなお悩みはありませんか?骨密度が低いと言われた場合、骨粗しょう症(こつそしょうしょう:骨の強度が低下し、骨折しやすくなった状態)やその手前の状態の可能性があります。

骨粗しょう症はほとんど症状がないまま進み、転んだだけで背骨や太ももの付け根を骨折して初めて気づくことも少なくありません。太ももの付け根の骨折は、寝たきりや介護が必要になるきっかけになります。この記事では、総合診療医の立場で、骨密度が低い原因・受診の目安・治療法を分かりやすく解説します。

骨密度の結果を医師が説明する様子(骨粗しょう症の診断と治療)【目次】

  1. 新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ
  2. 骨粗しょう症とは(骨密度と骨折のリスク)
  3. 放置するとどうなる?(背骨の圧迫骨折と寝たきり)
  4. 受診の目安とセルフチェック
  5. 当院(西北診療所)での診断と治療法(骨密度測定・血液検査・お薬による治療)
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ:危険な症状と高度医療機関への連携
  8. 受診方法・予約方法について
  9. 監修者情報

1.新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ

西北診療所は、新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様の「かかりつけ医」として、幅広い内科の診療を行っています。

骨粗しょう症は「骨だけの病気」ではなく、閉経、お薬、糖尿病や腎臓病など全身の状態と深く関わります。当院では骨密度測定と血液検査で骨の状態を確認し、背景にある病気もあわせて診ます。骨折の治療や痛みについては、月1回の整形外科専門外来とも連携しています。

2.骨粗しょう症とは(骨密度と骨折のリスク)

骨は、古い骨を壊す働きと新しい骨をつくる働きのバランスで、一生つくり替えられています。このバランスが崩れ、骨の量が減ったり質が悪くなったりすると、骨がスカスカの状態になります。

骨密度の結果の見方

骨密度は、若い人の平均値(YAM)と比べた割合で評価します。

  • YAMの80%以上:正常
  • 70%を超え80%未満:骨量減少(骨粗しょう症の手前)
  • 70%以下:骨粗しょう症

なお、すでに背骨や太ももの付け根を骨折したことがある方は、骨密度の数値にかかわらず骨粗しょう症と診断され、治療が勧められます。

骨粗しょう症になりやすい方

  • 閉経後の女性(女性ホルモンの減少で骨が急に減ります)
  • ご家族(特に親)に太ももの付け根の骨折がある方
  • やせている方、極端なダイエットの経験がある方
  • 喫煙・多量の飲酒の習慣がある方
  • ステロイドを長く飲んでいる方
  • 糖尿病・慢性腎臓病・関節リウマチ・甲状腺や副甲状腺の病気がある方

3.放置するとどうなる?(背骨の圧迫骨折と寝たきり)

骨粗しょう症で起こりやすい骨折には、次のようなものがあります。

  • 背骨の圧迫骨折:尻もちや重い物を持っただけで起こり、背中が丸くなる・背が縮む原因になります。痛みがなく気づかないこともあります。
  • 太ももの付け根(大腿骨近位部)の骨折:転倒で起こりやすく、手術や長期のリハビリが必要になり、歩く力が落ちるきっかけになります。
  • 手首・腕の付け根の骨折:転んで手をついたときに起こります。

一度骨折すると、次の骨折が起こりやすくなる「骨折の連鎖」が知られています。最初の骨折を防ぐことが何より大切です。

4.受診の目安とセルフチェック

次のような方は、一度ご相談ください。

  • 健診や区の検診で、骨密度が低いと言われた
  • 若いころより身長が2cm以上縮んだ
  • 背中や腰が丸くなってきた
  • ちょっとした転倒や尻もちで骨折したことがある
  • ステロイドを3か月以上飲んでいる、または飲む予定がある
  • 閉経後で、ご家族に骨折で歩けなくなった方がいる

すぐに受診が必要なサイン

  • 転倒後に、足の付け根が痛くて立てない・歩けない
  • 急に強い背中や腰の痛みが出て、寝返りもつらい

☠ やってはいけないNGな自己判断 ☠

  • 「骨が弱いから」と動かずに過ごす(筋力が落ち、かえって転びやすくなります)
  • カルシウムのサプリメントだけで済ませる(とりすぎは腎臓や血管への負担になることがあり、薬の治療の代わりにはなりません)

5.当院(西北診療所)での診断と治療法(骨密度測定・血液検査・お薬による治療)

診断

  • 骨密度測定:院内の骨密度測定器で、骨の量を確認します。
  • 血液検査:カルシウム・リン・ビタミンDの状態や、骨が壊れたりつくられたりする勢い(骨代謝マーカー)を確認します。
  • レントゲン:背中や腰に痛みがある方、背が縮んだ方は、背骨の圧迫骨折がないかを確認します。
  • 隠れた原因の確認:お薬(ステロイドなど)、糖尿病、腎臓病、甲状腺・副甲状腺の病気など、骨を弱くする原因がないかを調べます(続発性骨粗しょう症)。

治療

  • 食事:カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質を、食事からしっかりとることが基本です。
  • 運動と転倒予防:散歩や片足立ちなど、無理のない運動で骨と筋肉を保ちます。足元の段差や照明など、住まいの転倒対策もご一緒に考えます。
  • お薬:骨が壊されるのを抑える薬、骨をつくる働きを高める薬、ビタミンD製剤などから、骨折の危険性・年齢・腎臓の働き・続けやすさを考えて選びます(下の表をご覧ください)。
  • 腎臓との関係:腎臓の働きが落ちている方は、使えるお薬や量に注意が必要です。腎臓専門医の立場から、腎臓の状態に合わせて選びます。

当院で使用している主なお薬(効果・使用期間・費用の目安)

お薬の種類 主な効果 使い方 使用期間の目安 1か月の自己負担の目安
活性型ビタミンD3製剤
(エディロール)
腸からのカルシウムの吸収を助けて骨密度を増やし、背骨の骨折を減らします。筋力を保ち、転倒予防にも役立ちます。 内服
1日1回
長期間(ほかのお薬と組み合わせて使うことも多い) 1割:約105円
2割:約209円
3割:約314円
(薬剤費 約1,050円)
ビスホスホネート製剤(週1回)
(ボナロン・フォサマック)
骨が壊されるのを抑えて骨密度を増やし、背骨や太ももの付け根の骨折を減らします。 内服
週1回、起床時にコップ1杯の水で
3〜5年が目安。その後は骨密度を見て休薬・切り替えを検討 1割:約71〜78円
2割:約143〜155円
3割:約214〜233円
(薬剤費 約710〜780円)
ビスホスホネート製剤(月1回)
(アクトネル・ベネット)
週1回製剤と同じ働きで、飲む回数を減らしたい方に向いています。 内服
月1回、起床時にコップ1杯の水で
3〜5年が目安(同上) 1割:約73円
2割:約146円
3割:約219円
(薬剤費 約730円)
副甲状腺ホルモン(PTH)製剤・毎日
(フォルテオ)
骨をつくる働きを高め、骨密度を大きく増やします。すでに骨折がある方など、骨折の危険性が高い方に使います。 注射
1日1回、ご自宅で自己注射
最長24か月(生涯で)。終了後は骨が壊されるのを抑えるお薬に切り替え 1割:約2,150円
2割:約4,300円
3割:約6,450円
(薬剤費 約21,500円)
副甲状腺ホルモン(PTH)製剤・週1回
(テリボン)
骨をつくる働きを高めます。ご自分での注射に不安がある方に向いています。 注射
週1回、院内で皮下注射
最長24か月(生涯で)。終了後は同上 1割:約4,310円
2割:約8,620円
3割:約12,930円
(薬剤費 約43,100円)
副甲状腺ホルモン(PTH)製剤・週2回
(テリボン オートインジェクター)
週1回製剤と同じ働きで、通院の回数を減らしたい方に向いています。 注射
週2回、ご自宅で自己注射
最長24か月(生涯で)。終了後は同上 1割:約5,140円
2割:約10,280円
3割:約15,420円
(薬剤費 約51,400円)
ロモソズマブ
(イベニティ)
骨をつくる働きを高めると同時に、骨が壊されるのも抑えます。短期間で骨密度を大きく増やしたい、骨折の危険性が特に高い方に使います。 注射
月1回、院内で皮下注射(1回2本)
12か月まで。終了後は骨が壊されるのを抑えるお薬に切り替え 1割:約5,010円
2割:約10,020円
3割:約15,040円
(薬剤費 約50,120円)

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  • 費用はお薬代のみの目安です(2026年10月時点で確認した薬価で、1か月=30日として計算。先発品の価格で計算しています。ボナロンとフォサマックは価格が少し異なるため幅で示しています)。診察料・検査料・注射の手技料、自己注射の指導管理料などが別にかかります。
  • 薬価は定期的に改定されるため、実際の金額は異なる場合があります。
  • ロモソズマブは、1年以内に心筋梗塞や脳卒中を起こしたことがある方には使えません。ビスホスホネート製剤は、飲んだ後30分は横にならず、水以外の飲食を控えていただきます。
  • ビタミンD製剤は、ほかのお薬と組み合わせて使うことがあります。その場合の費用は、それぞれの合計になります。

歯科治療との関係

一部の骨粗しょう症のお薬は、抜歯などの歯科治療の際に注意が必要です。歯科を受診するときは、お薬手帳をお持ちいただき、骨粗しょう症の治療中であることをお伝えください。

6.よくある質問(FAQ)

Q1. 骨粗しょう症のお薬はいつまで続けるのですか?
A. 骨折を防ぐには、年単位で続けることが大切です。お薬の種類によっては、数年使ったあとに休薬や切り替えを検討します。骨密度の変化を見ながら、医師と相談して決めましょう。

Q2. 男性でも骨粗しょう症になりますか?
A. なります。女性より少ないものの、高齢の男性や、ステロイド・糖尿病・腎臓病・多量の飲酒などがある方は注意が必要です。

Q3. 牛乳を飲んでいれば大丈夫ですか?
A. カルシウムをとることは大切ですが、それだけでは骨は十分に強くなりません。ビタミンD(魚・きのこ、日光浴)、たんぱく質、運動を組み合わせ、必要な方はお薬で治療します。

7.まとめ:危険な症状と高度医療機関への連携

骨密度が低いと言われても、痛みがないために放置されがちです。しかし、骨粗しょう症は治療で骨折を減らせる病気です。健診で指摘された方、背が縮んだ方、骨折したことがある方は、一度ご相談ください。転倒後に立てない・歩けない場合は骨折の可能性があるため、すぐに受診してください。手術が必要な骨折や、詳しい骨密度検査が必要な場合は、連携する専門医療機関へご紹介します。

8.受診方法・予約方法について

当院では、患者様がご都合に合わせてスムーズに受診していただけるよう、以下の体制をとっております。

  • ① 予約なし
    • 直接ご来院いただけます。
    • 受付順に順番の記載された「ナンバープレート」をお渡しし、番号順にご案内いたします。お薬手帳や、健診結果をお持ちの方はご持参ください。
  • ② WEB予約
    • 現在準備中であり、今年度内での運用開始を予定しております。開始となりましたら、院内掲示およびホームページにてお知らせいたします。

受診のご案内(西北診療所)

ご予約なしでも受診いただけます(受付順)。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

☎ 03-3203-5660(タップで発信)

診療時間 月 火 水 木 金 土
9:00〜12:30 ○ ○ ○ ○ ○ △
14:30〜18:00 ○ ○ - ○ ○ -

△土曜は9:00〜12:00/受付は診療終了の15分前まで
休診日:第5土曜日・日曜日・祝日

※発熱のある方は、来院前にお電話ください(専用の隔離室へご案内します)。

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田3-12-4(JR高田馬場駅・東京メトロ副都心線 西早稲田駅)
▶ アクセス・地図はこちら ▶ 診療日カレンダー

9.監修者情報

監修:西北診療所 院長 羽田野 実

(日本内科学会認定 総合内科専門医 / 日本腎臓学会認定 腎臓専門医)

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