【はじめに】

「人の名前がすぐに出てこない。年のせいだと思うけれど、認知症の始まりだったらどうしよう」

「母が同じ話を何度もするようになり、鍋を焦がすことが増えた。どこに相談すればいいのかわからない」

このようなお悩みはありませんか?物忘れには、年齢による自然な変化もあれば、認知症(アルツハイマー型・血管性など)や、その手前の軽度認知障害(MCI)のこともあります。さらに、甲状腺の病気やビタミン不足、お薬の影響など「治療で改善しうる物忘れ」が隠れていることもあります。

早めに原因を調べることで、治る病気を見逃さず、認知症であっても進行をゆるやかにし、ご本人・ご家族が先の生活を準備する時間をつくることができます。この記事では、総合診療医の立場で、受診の目安・検査・治療と支援を分かりやすく解説します。

物忘れについてご本人とご家族から話を伺う医師【目次】

  1. 新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ
  2. 年齢による物忘れと、認知症による物忘れの違い
  3. 治療で改善しうる「物忘れ」の原因
  4. 受診の目安とセルフチェック(ご家族が気づくサイン)
  5. 当院(西北診療所)での診断と治療法(血液検査・認知機能の評価・専門医療機関との連携)
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ:危険な症状と高度医療機関への連携
  8. 受診方法・予約方法について
  9. 監修者情報

1.新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ

西北診療所は、新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様の「かかりつけ医」として、幅広い内科の診療を行っています。

「認知症の専門病院はハードルが高い」「本人が受診を嫌がる」というご相談も少なくありません。かかりつけ医である当院では、血圧や糖尿病などの通院のついでにご相談いただくこともできます。全身の病気やお薬との関係を確認し、必要に応じて専門医療機関や介護サービスとつなぎます。

2.年齢による物忘れと、認知症による物忘れの違い

年齢による物忘れ 認知症による物忘れ
忘れ方 体験の一部を忘れる(朝食のメニューを思い出せない) 体験そのものを忘れる(朝食を食べたこと自体を忘れる)
自覚 忘れたことを自覚している 忘れたことに気づきにくい
ヒント ヒントで思い出せる ヒントがあっても思い出せない
生活への影響 ほとんどない 買い物・料理・お金の管理などに支障が出る

認知症の主な種類

  • アルツハイマー型認知症:最も多いタイプ。最近の出来事を覚えられないことから始まり、ゆっくり進みます。
  • 血管性認知症:脳梗塞や脳出血のあとに起こります。高血圧・糖尿病の管理が予防につながります。
  • レビー小体型認知症:実際にはないものが見える(幻視)、手足のふるえ、日によって状態が大きく変わるなどが特徴です。

3.治療で改善しうる「物忘れ」の原因

次のような原因による物忘れは、治療によって改善が期待できます。

  • 甲状腺機能低下症:だるさ・むくみ・寒がりを伴うことがあります
  • ビタミンB12・ビタミンB1の不足:胃の手術後、偏った食事、多量の飲酒
  • お薬の影響:睡眠薬・抗不安薬・抗アレルギー薬・頻尿のお薬などの一部
  • うつ病:意欲の低下や不眠を伴い、物忘れのように見えることがあります
  • 電解質異常・血糖の異常:血液中のナトリウムやカルシウムの異常、低血糖
  • 慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症:頭をぶつけた後の物忘れ、歩きにくさや尿もれを伴う場合(脳の画像検査が必要です)
  • 難聴:聞こえにくさが、物忘れや会話のずれとして現れることがあります

4.受診の目安とセルフチェック(ご家族が気づくサイン)

次のような変化が、以前と比べて目立ってきた場合は、一度ご相談ください。

  • 同じことを何度も言う・聞く
  • 置き忘れやしまい忘れが増え、「盗られた」と言う
  • 料理の手順がわからなくなる、鍋を焦がす
  • お金の計算や支払い、お薬の管理ができなくなった
  • 慣れた道で迷う、日付や曜日がわからなくなる
  • 趣味や身だしなみへの関心がなくなった

早めに受診が必要なサイン

  • 数日〜数週間で急に物忘れや混乱が進んだ(脳の病気・感染症・脱水・お薬の影響などの可能性があります)
  • 頭をぶつけた後に、物忘れや歩きにくさが出てきた
  • ろれつが回らない、手足に力が入らないなどを伴う(脳卒中の可能性があるため、救急車を呼んでください)

ご本人が受診を嫌がるときは

「物忘れの検査」ではなく、「血圧や健康診断の相談」「お薬の見直し」として受診を勧めると、受け入れやすいことがあります。ご家族だけで先にご相談いただくことも可能です。

5.当院(西北診療所)での診断と治療法(血液検査・認知機能の評価・専門医療機関との連携)

診断

  • 問診:ご本人とご家族から、いつから・どのような変化があるかを伺います。飲んでいるお薬もすべて確認します。
  • 認知機能の評価:簡単な質問形式の検査で、記憶力・注意力などを確認します。
  • 血液検査:甲状腺ホルモン・ビタミンB12・血糖・電解質・腎臓や肝臓の働きなど、治療で改善しうる原因がないかを調べます。
  • 脳の画像検査(CT・MRIなど):必要に応じて、連携する医療機関へご依頼・ご紹介します。

治療と支援

  • 原因の治療:甲状腺の病気・ビタミン不足・お薬の影響などが見つかった場合は、その治療・調整を行います。
  • 認知症のお薬:症状の進行をゆるやかにするお薬(内服薬・貼り薬)を、副作用を確認しながら使います。
  • 新しい治療薬:初期のアルツハイマー型認知症に対する新しい点滴治療は、実施できる施設や対象となる条件が限られています。ご希望や条件に応じて専門医療機関へご紹介します。
  • 生活習慣病の管理:高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理は、認知症の進行予防にもつながります。
  • 介護・生活の支援:介護保険の申請に必要な主治医意見書の作成、地域包括支援センターやケアマネジャーとの連携を行います。通院が難しくなった方には訪問診療でも対応します。

6.よくある質問(FAQ)

Q1. 認知症は予防できますか?
A. 完全に防ぐ方法はありませんが、高血圧・糖尿病・難聴・運動不足・喫煙・社会的な孤立などへの対策が、認知症のリスクを下げると考えられています。かかりつけ医で生活習慣病をしっかり管理することも予防の一つです。

Q2. 家族だけで相談に行ってもよいですか?
A. はい、ご家族だけのご相談も承ります。ご本人の普段の様子、飲んでいるお薬(お薬手帳)、健診結果などをお持ちいただくとスムーズです。

Q3. 車の運転はどうすればよいですか?
A. 認知症と診断された場合、運転は事故の危険が高くなります。ご本人の生活や移動手段も含めて、ご家族と一緒に考えていきましょう。

7.まとめ:危険な症状と高度医療機関への連携

物忘れの中には、治療で改善しうるものもあります。「年のせい」と決めつけず、気になる変化があれば、ご本人・ご家族どちらからでもご相談ください。急に物忘れや混乱が進んだ場合、頭をぶつけた後の変化、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、早めの受診・救急車の要請が必要です。当院では、原因の確認から、専門医療機関・介護サービスとの連携、訪問診療まで、地域で長く支えます。

8.受診方法・予約方法について

当院では、患者様がご都合に合わせてスムーズに受診していただけるよう、以下の体制をとっております。

  • ① 予約なし
    • 直接ご来院いただけます。
    • 受付順に順番の記載された「ナンバープレート」をお渡しし、番号順にご案内いたします。お薬手帳や、健診結果をお持ちの方はご持参ください。
  • ② WEB予約
    • 現在準備中であり、今年度内での運用開始を予定しております。開始となりましたら、院内掲示およびホームページにてお知らせいたします。

受診のご案内(西北診療所)

ご予約なしでも受診いただけます(受付順)。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

☎ 03-3203-5660(タップで発信)

診療時間 月 火 水 木 金 土
9:00〜12:30 ○ ○ ○ ○ ○ △
14:30〜18:00 ○ ○ - ○ ○ -

△土曜は9:00〜12:00/受付は診療終了の15分前まで
休診日:第5土曜日・日曜日・祝日

※発熱のある方は、来院前にお電話ください(専用の隔離室へご案内します)。

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田3-12-4(JR高田馬場駅・東京メトロ副都心線 西早稲田駅)
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9.監修者情報

監修:西北診療所 院長 羽田野 実

(日本内科学会認定 総合内科専門医 / 日本腎臓学会認定 腎臓専門医)

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