【はじめに】
「通勤電車や会議の前になるとお腹が痛くなり、トイレに駆け込む。トイレに行くと少し楽になる」
「便秘が続いてお腹が張る。市販の下剤がだんだん効かなくなってきた」
このようなお悩みはありませんか?検査で大きな異常がないのに、腹痛を伴う下痢や便秘を繰り返す場合は過敏性腸症候群(IBS:かびんせいちょうしょうこうぐん)、便が出にくい状態が続く場合は慢性便秘症の可能性があります。
どちらも命に関わる病気ではありませんが、仕事や外出に影響し、生活の質を大きく下げます。また、同じような症状の中に大腸がんや炎症性腸疾患などが隠れていることもあるため、見極めが大切です。この記事では、総合診療医の立場で、症状のタイプ・受診の目安・治療法を分かりやすく解説します。
【目次】
1.新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様へ
西北診療所は、新宿区・高田馬場・西早稲田・早稲田の地域の皆様の「かかりつけ医」として、幅広い内科の診療を行っています。
「お腹の調子くらいで受診してもいいの?」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。当院では、問診と血液検査・腹部エコーなどで、まず「危険な病気がないか」を確認し、そのうえで症状のタイプに合わせた治療を行います。大腸内視鏡検査が必要な場合は、連携する医療機関へご紹介します。
2.過敏性腸症候群(IBS)と慢性便秘症とは
過敏性腸症候群(IBS)
腸に炎症や腫瘍などの異常がないのに、腸の動きや知覚が過敏になり、腹痛と便通の異常が続く病気です。ストレスや緊張、睡眠不足、腸内細菌のバランスなどが関係すると考えられています。
診断の目安:最近3か月の間に、腹痛が週1日以上あり、次のうち2つ以上にあてはまる場合
- 排便すると腹痛が和らぐ(または排便に関係して痛む)
- 腹痛とともに、便の回数が変わる
- 腹痛とともに、便の形(硬さ)が変わる
便の状態によって、下痢型・便秘型・混合型(下痢と便秘を繰り返す)に分けられ、タイプによって治療薬が異なります。
慢性便秘症
排便の回数が少ない、硬い便でいきむ必要がある、残便感があるなどの状態が続くものです。腸の動きが弱いタイプ、直腸に便がたまっても出せないタイプなどがあります。お薬の副作用(痛み止め・抗うつ薬・一部の血圧の薬など)や、甲状腺機能低下症・糖尿病などの病気が原因のこともあります。
3.見逃してはいけない病気(大腸がん・炎症性腸疾患など)
次のような病気は、IBSや便秘と似た症状で始まることがあります。
- 大腸がん:便が細くなる、便秘と下痢を繰り返す、血便
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病):若い方にも多く、下痢・血便・腹痛・発熱・体重減少
- 感染性腸炎:急な下痢・嘔吐・発熱
- 甲状腺の病気:機能亢進症では下痢、機能低下症では便秘
- 胆のう・すい臓などの病気:食後の腹痛、脂っぽい便
4.受診の目安とセルフチェック
早めに受診してほしい「危険なサイン」
次のどれかにあてはまる場合は、IBSや便秘と決めつけず、早めに受診してください。
- 便に血が混じる、黒い便が出る
- ダイエットしていないのに体重が減る
- 50歳以上で、最近になって便通が変わった
- 夜間、腹痛や下痢で目が覚める
- 発熱を伴う、または貧血を指摘された
- ご家族に大腸がんの方がいる
- 健診の便潜血検査で陽性だった
すぐに受診が必要なサイン
- 激しい腹痛、お腹が張って便もおならも出ない、繰り返し吐く(腸閉塞の可能性)
☠ やってはいけないNGなセルフケア ☠
- 市販の刺激性の下剤を毎日・量を増やしながら飲み続ける(効きにくくなり、腸の動きがさらに弱くなることがあります)
- 腎臓の働きが落ちている方や高齢の方が、マグネシウムを含む下剤を自己判断で長く飲み続ける(血液中のマグネシウムが高くなることがあります)
- 下痢が怖くて食事や水分を極端に控える
5.当院(西北診療所)での診断と治療法(血液検査・腹部エコー・症状のタイプに合わせた治療)
診断
- 問診:便の回数・形・腹痛との関係、食事や生活リズム、飲んでいるお薬を確認します。
- 血液検査:貧血、炎症、甲状腺ホルモン、血糖などを確認します。
- 腹部エコー:腸の張りやガスのたまり方、胆のう・肝臓など他の臓器の異常を確認します。
- レントゲン:便やガスのたまり具合を確認します。
- 大腸内視鏡検査:危険なサインがある方は、連携する医療機関へご紹介します。
治療
- 生活習慣:規則正しい食事と睡眠、水溶性食物繊維(海藻・オートミール・果物など)、適度な運動が基本です。お腹にガスがたまりやすい方は、食べ物との関係を一緒に確認します。
- IBSのお薬:腸の動きや便の水分を整える薬、下痢型・便秘型それぞれに合わせた薬、整腸剤などを組み合わせます。
- 便秘のお薬:近年は、腸の水分を増やす薬や胆汁の働きを利用する薬など、選択肢が増えています。腎臓の働きや年齢、ほかのお薬との組み合わせを考えて選びます。
- 原因となるお薬の見直し:便秘や下痢の原因になっているお薬がないかを確認し、必要に応じて調整します。
6.よくある質問(FAQ)
Q1. ストレスが原因と言われました。気の持ちようでしょうか?
A. いいえ。IBSは、脳と腸が互いに影響し合うことで起こる病気で、「気のせい」ではありません。お薬で症状を和らげることができますので、我慢せずにご相談ください。
Q2. 毎日便が出ないと便秘ですか?
A. 排便の回数には個人差があります。2〜3日に1回でも、苦労せずに出てすっきりするなら心配いりません。硬い便でいきむ、残便感がある、お腹が張るといった症状がある場合は、治療の対象になります。
Q3. 大腸カメラは必ず受けたほうがよいですか?
A. 全員に必要なわけではありません。血便・体重減少・50歳以上での便通の変化・便潜血陽性などの危険なサインがある方には、大腸内視鏡検査をおすすめし、連携医療機関へご紹介します。
7.まとめ:危険な症状と高度医療機関への連携
下痢や便秘を繰り返す症状は、過敏性腸症候群や慢性便秘症のことが多い一方、大腸がんなどが隠れていることもあります。血便・体重減少・発熱・夜間の症状などがある場合は、早めに受診してください。当院では、危険な病気がないかを確認したうえで、症状のタイプに合わせた治療を行い、大腸内視鏡検査が必要な方は連携医療機関へご紹介します。発熱を伴う下痢の方は、来院前にお電話ください。
8.受診方法・予約方法について
当院では、患者様がご都合に合わせてスムーズに受診していただけるよう、以下の体制をとっております。
- ① 予約なし
- 直接ご来院いただけます。
- 受付順に順番の記載された「ナンバープレート」をお渡しし、番号順にご案内いたします。お薬手帳や、健診結果をお持ちの方はご持参ください。
- ② WEB予約
- 現在準備中であり、今年度内での運用開始を予定しております。開始となりましたら、院内掲示およびホームページにてお知らせいたします。
- ③ 発熱がある方(発熱外来)
- ご来院前に必ずお電話ください。TEL. 03-3203-5660(受付時間:午前9:00〜12:30/午後14:30〜18:00)
- 一般の患者様と動線を分けた、専用の隔離室へご案内いたします。
受診のご案内(西北診療所)
ご予約なしでも受診いただけます(受付順)。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:30 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
| 14:30〜18:00 | ○ | ○ | - | ○ | ○ | - |
△土曜は9:00〜12:00/受付は診療終了の15分前まで
休診日:第5土曜日・日曜日・祝日
※発熱のある方は、来院前にお電話ください(専用の隔離室へご案内します)。
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田3-12-4(JR高田馬場駅・東京メトロ副都心線 西早稲田駅)
▶ アクセス・地図はこちら ▶ 診療日カレンダー
9.監修者情報
監修:西北診療所 院長 羽田野 実
(日本内科学会認定 総合内科専門医 / 日本腎臓学会認定 腎臓専門医)