【お答え】
「みぞおちやおへその痛みから右下腹部へ痛みが移動してきた」「歩くとお腹に響く」という場合は、放置せず直ちに医療機関を受診してください。
痛む部位が移動する症状は、「急性虫垂炎(いわゆる盲腸)」や「大腸憩室炎」の典型例ですが、「胆石発作・急性胆嚢炎・急性胆管炎」や尿管結石、女性の婦人科疾患などが隠れていることもあります。放置すると虫垂破裂や重症感染症を引き起こす危険があります。 当院では日本内科学会認定 総合内科専門医・日本腎臓学会認定 腎臓専門医である院長が、痛む部位にエコーを当てて原因を突き止める腹部エコー検査や血液検査を行い、緊急度を判断して最適な初期対応や連携施設の外科への紹介を行います。
【目次】
1. 新宿区・高田馬場・早稲田の地域の皆様へ
「数日前はみぞおちやおへその周りがなんとなく痛かったが、今日になって右下腹部に痛みが移ってきた」 「右下腹部を押すとズキッと強く痛み、歩く振動がお腹に響く」 「微熱や吐き気があり、胃腸炎なのか盲腸なのか判断がつかず受診を迷っている」
新宿区・高田馬場・早稲田エリアにお住まいの皆様や近隣でお勤めの皆様から、このような痛む場所が変化する腹痛や右下腹部の痛みについてのご相談を非常に多くいただきます。
お腹の痛みの中でも「最初は胃やおへそのあたりが痛く、時間とともに右下腹部へと移動して定着する」経過は、医学的に虫垂炎をはじめとする急性腹症を疑う極めて重要なサインです。「市販薬を飲んで寝ていれば治るだろう」と自己判断して放置すると、炎症が急速に進んで腹膜炎や重篤な感染症へと悪化してしまう恐れがあります。西北診療所では地域のかかりつけ医として、痛む部位をエコーで直接確認しながら原因を迅速に特定する安心の診療を提供しております。
2. 「ただの腹痛と様子見」が危険な理由(虫垂破裂・急性腹膜炎・重症胆道感染について)
「市販の痛み止めで痛みを隠す」「お腹を温めて我慢する」ことが、重症化を招く大きな落とし穴です。
当院での専門的なアプローチ
虫垂が腐って破裂する「穿孔性腹膜炎」の完全阻止 虫垂炎は進行が早く、放置すると虫垂の壁が壊死して破裂(穿孔)することがあります。破裂するとウミと細菌がお腹全体(腹腔内)に広がり、激痛で動けなくなる急性汎発性腹膜炎や敗血症を引き起こし、緊急開腹手術が必要になってしまいます。
「胆石・急性胆嚢炎・急性胆管炎」の早期見極め 胆のうや胆管の結石・感染症は、初期にみぞおちやお腹全体の鈍痛として自覚され、徐々に右側の痛みとして強まることがあります。特に急性胆管炎は敗血症性ショックに至るリスクが高いため、迅速な鑑別が不可欠です。
痛む部位を直接捉える「腹部エコー」による即日診断 痛む部位にエコーのプローブを当て、画像と痛みの位置をリアルタイムに照らし合わせることで、虫垂の腫れや胆石、腸の炎症、腹水貯留の有無を迅速に見極めます。
3. 右下腹部痛・移動性腹痛の原因タイプ分類(急性虫垂炎・憩室炎・胆石/胆嚢炎/胆管炎・尿管結石・婦人科疾患)
① 急性虫垂炎(盲腸:移動性腹痛の代表疾患)
メカニズム: 虫垂の出口に糞石(便の塊)などが詰まり、内圧が上がって細菌が繁殖・化膿。
特徴: 「みぞおちやへその痛みから右下腹部へ移動」「右下腹部を押してパッと離した時に激痛(反跳痛)」「歩くと響く」「微熱・吐き気」。
② 右側大腸憩室炎(盲腸・上行結腸憩室炎)
腸の壁のくぼみ(憩室)に便が詰まって化膿。虫垂炎と症状が酷似(発熱、右下腹部の持続痛)。
③ 胆石発作・急性胆嚢炎・急性胆管炎
メカニズム: 胆のうや胆管に石が詰まり、細菌感染や内圧上昇を起こす。
特徴: 通常は右上腹部〜みぞおちの激痛ですが、初期には非特異的な腹痛として始まり、炎症の波及によって右側腹部〜下腹部にかけて痛むことがあります。高熱や黄疸を伴う場合は急性胆管炎の危険があります。
④ 右尿管結石
腎臓の石が尿管に詰まる。背中から右下腹部、足の付け根へ突き抜ける激痛(血尿を伴う)
⑤ 婦人科疾患(右卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転、異所性妊娠等:女性の超緊急疾患)
女性の場合、妊娠関連の腹痛は命に係わることがあるため、状況により妊娠の有無や最終生理の確認を行わせていただきます。また必要に応じて妊娠反応検査を行うこともございます。
4. 当院(西北診療所)での精密検査と治療管理(腹部エコー・身体診察・急性腹症トリアージ)
当院では、お腹の痛む部位を丁寧に診察し、原因を客観的に調べます。
「実際に痛みがある部位にエコーのプローブを当てて、超音波画像と痛みの部位(超音波下圧痛)をリアルタイムに確認しながら原因検索を実施」いたします。
虫垂の腫れの有無(直径6mm以上の腫大)、虫垂壁の肥厚、原因となる糞石の有無、虫垂周囲の膿の確認。
「腹水貯留の有無を確認」し、腹膜炎の波及や腹腔内出血がないかを精密に評価。
胆のう結石や胆嚢壁肥厚、胆管拡張、尿管結石による水腎症(腎臓の腫れ)の有無も同時に観察。
詳細な腹部身体診察 McBurney(マックバーニー)圧痛点、反跳痛(Blumberg徴候)、お腹の緊張度(筋性防御)、胆嚢圧痛(Murphy徴候)を丁寧に診察。
詳細な血液検査・尿検査【当院の強み】
白血球数、白血球分画(好中球の上昇は細菌性感染を示唆)、CRP(炎症マーカー)の確認。
肝胆道系酵素(AST/ALT/γ-GTP/ALP/ビリルビン=胆管炎や胆嚢炎の評価)。
腎機能(クレアチニン・eGFR)。
尿検査(尿管結石の血尿や尿路感染症の除外)。
緊急度判断と外科連携
緊急度を判断し、急性腹症が疑われるような場合は連携施設の外科への紹介を行います。
初期・軽症例に対する適切な抗菌薬治療や初期対応。
5. よくある質問(FAQ)
Q1. 痛い場所をエコーで押されると痛みますか?
A. 炎症が起きている部位にプローブが当たると一時的に痛みを感じることがありますが、「痛みの中心点(最大圧痛点)とエコー画像をリアルタイムに一致させて確認すること」が、虫垂炎や憩室炎、胆嚢炎などの正確な診断のために極めて重要です。お体に負担をかけないよう、声をおかけしながら慎重かつ丁寧に検査いたします。
Q2. 盲腸(虫垂炎)は薬で散らせますか?手術が必要ですか?
A. 初期の軽い炎症であれば抗生物質の内服や点滴で散らせる(保存的治療)場合もあります。しかし、糞石が詰まっている場合や再発を繰り返す場合、破裂の危険がある場合は、安全のために外科手術が推奨されます。エコーや採血結果をもとに緊急度を正しく判断いたします。
Q3. 女性の腹痛で、生理や妊娠について聞かれたり検査をするのはなぜですか?
A. 異所性妊娠(子宮外妊娠)の破裂や卵巣出血、卵巣嚢腫の茎捻転など、女性特有の急性疾患は急激な腹腔内大出血を引き起こし、命に関わることがあるためです。虫垂炎と症状が非常に似ているため、安全のために最終生理の確認や妊娠反応検査を行わせていただく場合がございます。
6. まとめ:危険な症状と当院の対応(高度医療機関連携)
お腹の痛みが右下腹部に移動する症状は急性虫垂炎や憩室炎、胆道疾患、婦人科疾患のサインであり、痛む部位を直接確認する超音波(エコー)検査を行うことは診断の精度を上げるために重要です。
当院では超音波(エコー)検査、身体診察、血液検査から重症度を判断し、必要に応じて迅速な外科連携を一貫して行います。
「お腹全体が板のようにカチカチに硬くなり、触れるだけで激痛が走る(虫垂破裂・急性汎発性腹膜炎の超緊急事態)」「38.5℃以上の高熱とガタガタ震える悪寒・黄疸がある(重症急性胆管炎・敗血症の危機)」「激痛で前屈みにならないと一歩も歩けない」「女性で急激な下腹部痛とともに顔面蒼白で倒れた(異所性妊娠破裂・卵巣出血)」といった症状がある場合は、緊急度が高いと判断します。
急性腹症と判断し、早めの精査加療が必要と判断した場合は、国立国際医療研究センター病院、東京山手メディカルセンター、東京新宿メディカルセンター、東京女子医科大学病院、慶應義塾大学病院などの提携高度救命救急センター・消化器外科・消化器内科・婦人科へ直ちに緊急搬送・連携手配を行います。
「お腹の痛みが右下に移動してきた」「盲腸や胆石ではないか詳しく調べてほしい」という際は、我慢せず西北診療所までお早めにご相談ください。
7. 監修者情報
監修 西北診療所 院長 羽田野 実(腎臓専門医・総合内科専門医)