2026年2月現在、複数のウイルスが同時に広がる非常に珍しい「ダブル流行」の真っ只中にあります。ここ西早稲田界隈とて例外ではありません。連日の報道で不安を感じている方も多いかと思いますが、まずは正しい情報を知り、一緒にこの冬を乗り越えていきましょう。
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1. 現在の流行状況:何が起きているのか?
現在、私たちの周りでは主に3つの感染症が同時に流行しています。
- インフルエンザ: 2月に入り、統計開始以来初めてとなる「今シーズン2度目」の流行警報が発令される異例の事態です。現在はB型が急増しており、検出されるウイルスの約9割を占めています。
- 新型コロナウイルス: 新変異株**「ニンバス(NB.1.8.1)」**が拡大しています。
- 感染性胃腸炎(ノロウイルス): 冬の流行ピークにあり、全国的に増加傾向が続いています。
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2. インフルエンザB型の急増と「2回感染」の落とし穴
今シーズンの最大の特徴は、短期間に「2回」インフルエンザにかかる可能性があることです。
- B型の特徴: 38〜39℃の高熱に加え、**腹痛・下痢・嘔吐などの消化器症状(おなかの症状)**が目立つのが特徴です。「おなかの風邪かな?」と思ったらインフルエンザだったというケースも増えています。
- なぜ「2回」もかかるのか: 11月〜12月に流行したA型と、現在主流のB型は全く別のウイルスです。そのため、A型にかかって得た免疫はB型には通用しません。 また、今季のワクチンは「3価(3種類のウイルスに対応)」へと構成が変わり、B型の1系統が除外された初年度であることも、B型への防御力が不確実になっている一因と考えられます。「1回かかったから今年はもう大丈夫」という思い込みは禁物です。
- 流行データ: 2026年第7週(2月9日〜15日)の定点当たり報告数は**「41.44」**と、警報レベルである30を大きく超えた深刻な状態が継続しています。
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3. 新型コロナ「ニンバス」とノロウイルスの最新動向
インフルエンザ以外にも、以下の2つに強い警戒が必要です。
- 新型コロナ「ニンバス」: 従来株以上に**「のどの激痛」を訴える方が非常に多く、【感染力が極めて強い】**のが最大の特徴です。ご家族のどなたかが発症すると、一気に広がる恐れがあります。
- ノロウイルス: 主に「GII」という型が流行しています。低温や乾燥に強く、冬の環境で長く生き残ります。また、アルコール消毒が効きにくいという非常に厄介な性質を持っています。
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4. 家庭でできる「鉄壁の予防策」
ご自身と大切なご家族を守るため、以下の「防衛線」を今日から再点検しましょう。
- 基本の手洗い・咳エチケット: 外出後は石けんと流水で丁寧に手を洗いましょう。咳やくしゃみが出る時は、マスクやハンカチ、袖などで口と鼻を覆ってくださいね。
- 環境の調整: 加湿器を活用し、**湿度50〜60%**をキープしましょう。のどを潤すことがウイルス侵入を防ぐ鍵です。また、1時間に1回は窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。
- ノロ対策の注意点: ノロウイルスにはアルコールではなく、石けんと流水による手洗いが基本です。汚染された場所の消毒には、**次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなどの塩素系漂白剤を薄めたもの)**が有効です。
- セルフ防衛の備え:
- 経口補水液(ORS): B型やノロウイルスによる激しい嘔吐・下痢の際の脱水予防に必須です。
- 解熱鎮痛剤: 飲み慣れた常備薬を確認しておきましょう。
- 食料のストック: お粥など簡単に食べられるものを3日分程度用意しておくと安心です。
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5. 受診のタイミングとアドバイス
体調に異変を感じた際、慌てずに適切な行動をとるための指針です。
- 「48時間以内」に受診を: 抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に使用するのが最も効果的です。「様子見」をしすぎて、薬の効果が薄れる時期にならないよう注意しましょう。
- 受診の際に: 西北診療所へ行く前に、事前に電話で相談をしてください。発熱外来の予約を取ることで、他の患者さんへの感染拡大を防ぎ、スムーズに診察を受けられます。
【至急、医療機関の受診が必要なサイン】
以下の症状がある場合は、重症化の恐れがあります。迷わず受診してください。
息苦しさ(呼吸が苦しい)や強いだるさがある
39℃以上の高熱が何日も続く
意識がぼーっとする、呼びかけへの反応がおかしい
このような症状ある場合は、肺炎を起こしていたり、髄膜炎といった重症疾患への移行の可能性があり、入院加療が必要となることがあります。そのため早めにご相談ください
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ちなみに
当院では、インフルエンザおよび新型コロナウイルスの抗原検査について、現在は鼻腔内(鼻の入り口付近)から検体を採取する検査キットを使用しております。
従来の鼻の奥(鼻咽頭)まで綿棒を入れる方法に比べ、鼻への刺激が格段に抑えられているため、ほとんど痛みを感じることなく検査が可能です。検査精度(感度・特異度)についても従来と同等の性能を維持しております。
「検査の痛みが苦手でトラウマがある」というお子様や大人の方も、どうぞ安心してご相談ください。
最後に感染症の流行状況と対策について簡単にまとめましたのでご参考ください。
